column院長コラム
経過観察って大事です
「一生通わないといけないんですか?」
経過観察ですよ、とお話しした方から頂いた質問です。質問というより、(通い続けるのなんて嫌だな。。)と思ってのことかもしれませんね。
もちろん、一生ってことはありません。
どこかの時点で、「検診でいいですよ」と言ってあげたいです。
そもそもどうして経過観察なんてしているのでしょうか。
乳房の中には、乳腺という、授乳するための組織があり、マンモグラフィやエコーで中身を透かして見るのですが、全員が同じように均一で偏りのない乳腺をお持ちなわけではありません。
偏っていたり、厚みが一部だけあったり、それだけでも検診で要精査になってしまうこともあります。
また、以前書きましたが、「嚢胞」というお水の袋があるときも、検診で写ってしまうこともあります。
偏りや、嚢胞程度であればエコーで見て、「大丈夫ですよ、検診つづけてくださいね」と言えるのですが、問題は、もう少し”模様”が強い場合です。
しこりがあったり(腫瘤といいます)、エコーでくろいもやもやに映ったり(低エコー領域といいます)すると、見た感じはカテゴリー2、つまり良性に見えても、それが本当に良性なのかどうかですとか、今後大きくなったりしないかどうかは一回見ただけではわかりません。
良性のしこりでも大きくなって手術が必要になる方もいらっしゃいますし、見た目はすごく良性のように見えても形がとんがっていって、悪性だったということもありうるのです。
ですので、それが良性であることを確実にするためにも、経過観察が必要なんですね。
「そんなまだるっこしいことを言っているくらいなら取ってください」とおっしゃる方もおられますが、それは、”やりすぎ”です。そんなことを始めたら、世の女性の乳房はチーズみたいにみんな穴だらけになってしまいます。
傷がつくことで、その後の検診でも傷が引き連れのように見えて、わかりにくくなってしまうこともあります。
「必要な時に必要な検査を」
できるだけ検査をすくなく、通院回数をすくなくといつも思っています。
納得できないことがあればいつでも質問してくださいね。