column院長コラム

マンモグラフィのこと

マンモグラフィ、そう、悪名高い?痛いと噂の?あれです。
私も30歳になった記念に、「乳腺専門医というからにははやめに受けておかないと説明ができない!」と思いはじめてうけました。
最初の感想は、「なんじゃー!こりゃー!」という松田優作さん丸パクリの感想でした。
のびるのびる。自分の体の一部が押しつぶされ、引き延ばされる様子が眼下にチラ見えできます。
このままとれたりして。。。!と思った頃にようやく解放されました。
はー、おわった。と思ったのもつかの間、あと右と、横向きでそれぞれであと3回もなんじゃーこりゃーになるのか、と絶望的な気分になったことを覚えています。
それでも、わたしはみなさんにマンモグラフィを勧めます。
自分にも、スタッフも、一年に一度はやるようにしています。
なぜなら、マンモグラフィは重要だからです。
痛いことは自分にも人にもしたくありませんが、私はウェディングプランナーではないので、時には痛いことも薦めないといけません。
効果的とされている検査をやらないことは患者さんの不利益になるからです。
医学は、すべてこれまでの医療者の乳がんを治したいという気持ちと努力、そしてそれに賛同してくれた患者さんの協力のおかげで進歩してきました。
マンモグラフィの検査もその一つで、マンモグラフィ検査を検診として用いるのに適切かどうか、統計学的に長期間をかけて調べられました。
結果は、症状のない人に検診としてマンモグラフィを行うことで、乳がんで亡くなるひとをへらせたという結果でした。
乳がんになる人は予防で減らすことは難しいのですが、検診を受けて、治すことができる人を増やせるのです。
超音波検査は痛みが少なく便利ですが、マンモグラフィにかわって、乳がんで亡くなる人を減らせるという結果は出ていません。
なので、エコーでいいですよ、とは言えないのです。
エコーで見て、必要そうならマンモグラフィをやりますという方がいらっしゃいます。
エコーで見て、何もなさそうなところに、マンモグラフィでしか見えないような小さな乳がんがあったら。。と思うと、それはあまりお勧めではありません。
私が一番嫌なのは、やらずに後悔すること、患者さんに後悔させてしまうことです。
「あのとき、やればよかったな。。」という後悔だけはしてほしくありません。
もちろん検査のやりすぎはよくありません。不要な検査をするつもりはありませんので、ご心配なく!

 
マンモグラフィのメリットをまとめます。

微細な乳がんをみつけることで、乳がんで亡くなる方を減らすことができます。
客観的にみることができます。
全体像が一目でみえます(エコーでは一度に狭い範囲しか見えません)
過去との比較がよくわかります。
時には3Dといって、角度を変えながら小さな変化を見落とさないようにする技術で撮影しますので、症状があるときや、心配な時はマンモグラフィをお勧めします。
いたいけど、せいぜい一年に一度です。おたがいがんばりましょう!